あらすじ

盲目の琴の名手でもあり音曲の才のある、美貌の春琴のところに奉公にだされたテルがやってきます。

春琴はひどく気難しいけれど、テルは春琴に気に入ってもらえ、おいてもらえることになりました。

家にいるのは春琴の他は、弟子でもある佐助しかいません。

佐助は目の見えない春琴の身の回りを世話をし、わがままや癇癪を全て受け止め、献身的に尽くしています。

テルの目から見ると、春琴の気難しさやわがままは度を越しているようにも感じられました。しかし、佐助はそばにおいてもらえるだけでありがたいと、テルに言います。

そんな中、春琴の弟子の一人であり、金持ちのおぼっちゃんで遊び人の利太郎が、たびたび春琴にちょっかいをかけるようになりました。

佐助は気が気ではありません。

しかし、春琴は利太郎を手酷くあしらい破門してしまうのでした。

佐助と春琴、そしてテルの3人の静かな生活が戻ってきました。

またしばらくして、姉夫婦が訪ねてきます。

5年前に春琴が父親が誰か言わずに生み、里子に出した子供が病に伏して、明日をも知れない病状だと話します。

春琴は全く興味がないと言い、姉夫婦に人の心がない、と罵倒されます。

姉夫婦は、佐助にどう思うか、と聞きます。

周囲はみな、春琴の生んだ子供が、佐助の子だと思っていました。

佐助は、自分には関係のないこと、と言い、春琴も佐助も、決して佐助が子の父親とは認めないのでした。

テルにはそれがどちらかもわからず、もしそれが本当なら、悲しいことだと思うのでした。

そんなある日、何者かが夜中に家に忍び込み、春琴の顔に熱湯をかけ、春琴は顔が爛れてしまいます。

春琴は佐助に爛れた顔を見ないでほしいと懇願します。

佐助は目をつぶって春琴の世話をすると約束しますが、春琴は爛れた顔を気にして佐助をあまりそばに置かなくなりました。

佐助は春琴の希望通り、絶対に春琴の顔を見ないようにするために、自分の両目をつきます。

春琴は、佐助が自分の両眼をついたと知ると、痛くなかったか、とはじめて優しい言葉をかけたのでした。

キャスト

苛烈で美しい盲目の琴の名手に長澤奈央、春琴を観音様とあがめて献身的に尽くす佐助を斎藤工が演じています。

また二人の世界を見つめるテルに、大きな目が印象的な沢木ルカ、春琴に上っ調子の懸想をする金持ちのおぼっちゃんの利太郎を松田悟志が演じています。

見どころ

谷崎潤一郎の耽美文学の最高峰「春琴抄」の6度目の映画化です。

奉公人であるテルの視点から、二人の関係性を映し出します。

動きが少なく、展開の起伏は少ないですが、終始聞こえる鳥の鳴き声は、永遠の春である春琴と佐助のたった二人の世界を表現しています。

春琴の暴力的な身勝手さと天真爛漫な物言いの落差に、佐助が春琴に観音様を見出した様子がわかります。

また、行き過ぎた春琴の身勝手さと、過剰な佐助の献身に、第三者の視点を持ったテルが入ることとで、「耽美な世界」の春琴と佐助の関係性をわかりやすくしてくれます。

美しい世界に重点を置いてはいますが、テルの視点と投げかける疑問が入ることで、耽美なだけの映画にならないようにしてくれます。

また艶があり陰影のあるはっきりした顔立ちの長澤奈央と斎藤工の二人が、谷崎世界に適合しています。

原作とは違った解釈もできそうな余白があり、映画を見てから小説の「春琴抄」を読んでも楽しめます。

無料動画が見れる配信サービス

U-NEXT
配信(見放題作品)
備考
登録日から31日間無料で見る事が出来ます。
月額料金
1,990円(実質790円)毎月1200ポイント付与
作品数 12万
無料期間 31日間
公式ページ 無料お試しはこちら
詳細ページ 詳細ページはこちら